【映画メモ】岸辺のふたり Father and Daughter

「岸辺のふたり」という映像作品をご存じだろうか?
わずか8分ほどのアニメーション・ショートムービーだ。
セリフは一切はいらず、ピアノとアコーディオンのシンプルな演奏と、ベルや鳥、虫の声、風や雨、自転車の音のみ。線描や色彩もこれ以上できないというくらいそぎ落とされている。

何度も見返しては、最後にやっぱり涙してしまう。
映像と音楽が胸をしめつける。
詳しい事情がどうだったのか、夢なのか現実なのか、死後の世界なのかよくわからない。
ただただ、父を想う娘の愛情に涙を禁じ得ない。
胸がざわざわして、洗われるような映像作品だった。

DVDのリーフレットに、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィッド監督からのメッセージが書かれている。「人が一生のあいだ抱き続けた、密やかだけれども強い願い」を描いたと。それが「途方もなく美しいと思った」と。

「途方もなく美しく」て、目には見えないものを映像化し、多くの人を感動させることができる、ということにあこがれる。
そんなことがしたくて、日々言葉を紡いでいる。

村田さん教えてくださって、ありがとうございました。