【アート鑑賞】ムンク展-共鳴する魂の叫び

心を打ち明ける必要にせまられて、どうしてもできあがってくるような芸術でなければ、私は信じない。 

息づき、感じ、苦しみ、愛する、生き生きとした人間を描くのだ。
エドヴァルド・ムンク

東京都美術館にて開催中の「ムンク展」へ行ってきた。
展示されている作品が、100%ムンク! なかなかこんな展示ない! 約100点たっぷり鑑賞。金曜日の夕方を狙っていったのですが、けっこう混んでいました。

ムンクの作品の画像はパブリックドメインになっていて、MUNCH MUSEE(オスロ市立ムンク美術館)から利用できますので、私の感銘した作品をご紹介したい。『叫び』だけじゃないムンクを見てほしい。

マドンナ(1895/1902年)

3枚あるリトグラフのうち、一番カラフルな一枚。この女性の妖艶なこと。どこか死の匂いもする。恨めしい顔の胎児や精子(!)のようなモチーフも入っている。人間の内面を描いたムンクらしいしびれる作品。

クピドとプシュケ Cupid and Psyche(1907年)

 

 

6・男と女-愛、嫉妬、別れ より

タイトルを見て、「ほう」と思った。「クピドとプシュケ」と言えば、ルーブル美術館のアントニオ・カノーヴァの美しい彫刻やら、ジェラールの油彩を思い浮かべる。

ムンクのクピドには翼もなく普通の人間のようだ。ギリシャ神話の二人にふりかかる困難を、なぞらえて現実の人間を描いたのだろうか。筆のタッチも印象的。

Weeping Nude

すすり泣く裸婦(1913-14年) Weeping Nude

 

 

構図、配色に胸を撃ち抜かれた一枚。裸婦は娼婦と見受けられる。娼婦の恋の最後を見るよう。

 

 

 

 

太陽(1910-13年) The Sun

8・躍動する風景 より
この明るく輝く作品もムンクなのだ。青の色味が何とも独特で、北欧の空気を感じる。今回ムンクの色彩感覚には何度も驚かされた。パリの印象派の色づかいにない、透明感、体感温度がある。次の「星月夜」が顕著だ。

 

 

星月夜(1922-24年) Starry Night

 

晩年暮らしたノルウェーの雪景色と星空。
幻想的で美しい青に魅せられる。
洋画も今までずいぶんたくさん見てきたつもりだが、ムンクの色彩や構図には新しい発見や喜びがたくさんあった。
晩年においても「人間の内面の表現」のいろんな挑戦をし続けている様子も伺えた。
『叫び』しか目玉がないんでしょ? と思っているそこのあなた! あとで後悔しても知らないんだからね! 1月20日まで。

「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」